輻射式は冷えない&暖まらないって本当?輻射式冷暖房の3つの誤解を徹底解説!
輻射式冷暖房は、快適な室内環境にするためのシステムです。
夏は冷えすぎず、冬は暑くなりすぎず、快適な暮らしを実現させます。
しかし、なかには「それでは涼しくないのでは?」「暖かくないのでは?」と感じる方もいるでしょう。
結論から言えば、そんなことはありません。
今回は、輻射式冷暖房に関するこのような誤解を解消していきます。
輻射式冷暖房に不安がある方は、参考にしてみてください。
輻射式冷暖房3つのよくある誤解
輻射式冷暖房に関して、深い知識がある方はまだ少ないです。
部屋の温度を調節する家電として、エアコンを利用されている方が多いでしょう。
そのため、輻射式冷暖房には多くの誤解が生まれています。
主によくある誤解は、以下の3つです。
- 涼しくない&暖かくない
- コストパフォーマンスが悪い
- 換気をすると効率が悪い
これらは、正しくありません。
実際に輻射式冷暖房がどのようなものか、なぜこれらが誤解なのか、以下で具体的に解説します。
【誤解1】涼しくない&暖かくない
輻射式冷暖房では、「涼しくないのでは?」「暖かくないのでは?」というのは、誤解です。
輻射式冷暖房は、しっかり涼しく感じますし、暖かく感じます。
エアコンとの違いは空気を冷やしたり暖めたりするのではなく、人や物を冷やしたり暖めたりする、というメカニズムの違いです。
夏は人や家具から不要な熱を吸収し、快適な涼しさを実現。
冬は遠赤外線の熱で、体の芯まで温めます。
エアコンと比較すると、確かにエアコンの方が速く温度を変えることが可能です。
しかし、エアコンで調節する温度は、あくまで「快適な温度」とは限りません。
たとえば、夏の暑い日に、風量最大で設定温度を最大まで低くした経験はないでしょうか?
室温は確かに下がりますが、そこで「寒い」と感じたことがある人もいるでしょう。
このように、エアコンでは「快適な温度」を維持するのは難しいのです。
輻射式冷暖房なら、夏涼しく、冬暖かい、快適な室内環境を実現できます。
輻射式冷暖房の効果を最大限に発揮させるポイント
快適な温度といえど、寒い日にはすぐに暖かさを、暑い日には涼しさをすぐに実感したい方もいるでしょう。
そんな方は、2つの方法で輻射式冷暖房の効果を最大化させることができます。
- パネルの枚数を増やす
- エアコンを併用する
輻射式冷暖房は、パネルと体温の温度差で熱を移動させる仕組みです。
ゆっくりと安定して熱を移動させることが得意なので、「すぐに温度の変化を感じたい」という方にとっては、物足りなく感じるかもしれません。
そんな場合は、家の設計に合わせてパネルの枚数を検討しましょう。
家の広さに合わせてパネルの枚数を増やせば、すぐに快適な室内環境になるまでの時間を短縮できます。
室内の環境は外気の影響によって夏は暑く、冬は寒くなってしまいます。
新築の場合は断熱や日射取得について早い段階から専門家に相談することでより良い家づくりができますし、リフォームの場合は窓から入ってくる太陽の熱を調整することも室内環境には大切な要素になります。
また、速く温度を変えることが得意なエアコンを併用して、快適になったら、輻射式冷暖房だけで、その快適環境を維持する使い方もあります。
輻射式冷暖房に合わせた家づくりに関しては、当社もサポートし、最大限に効果の発揮できる家づくりを提案致します。
【誤解2】コストパフォーマンスが悪い
輻射式冷暖房は、決してコストパフォーマンスが悪いというわけではありません。
輻射式冷暖房自体がエアコンより高価なため、誤解してしまう方が多いです。
しかし、コストパフォーマンスの点では、エアコンと同等、場合によっては省エネになる場合もあります。
エアコンと輻射式冷暖房を比較して解説していくと、以下の違いがあるのです。
エアコンの場合
- 電源を切ると室温が戻ってしまう
- 空気を温めるので天井付近の無駄なスペースが温かくなる(暖房)
空気の温度はとても変わりやすいので、エアコンは自動でオンオフを繰り返しながら室温を調整しています。
そのため電源を切ってしまうと、すぐに室内環境の快適性が失われてしまいます。
しかし、輻射式冷暖房の場合は、効果が持続します。
電源を切った後もパネル内部の循環水が熱を保有しているため、一定時間、涼しく・暖かい環境を維持できます。
【誤解3】換気をすると効率が悪い
2021年4月現在、コロナウイルスの感染拡大により、換気が重要になっています。
そのため、換気により室温が変化してしまうと、非効率的に感じてしまうでしょう。
結論からいえば、輻射式冷暖房は、換気をしても影響が小さいです。
むしろ、換気に関しては、エアコンの方が効率が悪くなってしまいます。
エアコンは、あくまで部屋の「空気」を温めたり涼しくするものです。
そのため、換気をすれば温かい空気も冷たい空気も外に出てしまい、室温が変化すると、設定温度に近づけるためにフル稼働し、電力が上がります。
それでも人が暖かさを感じる前に空気が外に逃げてしまうので、設定温度を上げてさらに電力消費が上がる、という状況で、コロナ禍での暖房費用がものすごく高くなりました。
その点、輻射式冷暖房は、熱を移動させ床や壁、家具など、部屋全体の温度を調整するものです。
換気をしても涼しさや暖かさが残るので、エアコンに比べると温度変化は小さくなります。
「換気をしながら快適な室温で暮らせる」というのは、withコロナ時代の現在、大きなメリットになるでしょう。
※輻射式暖房の代表的なものは床暖房です。「床暖房でも換気すると寒いよ」という声がありますが、それは風による影響です。空気の温度変化は少ないですが、風の侵入による体感温度の低下は別の方法で解決する必要があります。
輻射式冷暖房の効果を理解した上で設置をご検討ください
輻射式冷暖房に関して、「まだよく知らないから不安」「本当に大丈夫?」と不安に感じる方、効果に関して誤解をしてしまう方もいます。
しかし、今回解説したように、輻射式冷暖房は、エアコンとは違う「快適性」を実現できる製品です。
エアコンにはエアコンの素晴らしさがありますので、それぞれの長所をしっかりとご認識いただいた上で設置していただければと思います。
輻射式冷暖房に関する疑問や相談があれば、お気軽にご相談ください。