輻射式冷暖房のメリット・デメリット
輻射式冷暖房と他の冷暖房設備、どちらを設置するべきか悩んでいる方もいるでしょう。
確かに、輻射式冷暖房にはメリットもデメリットもあります。
そこで今回は、輻射式冷暖房のメリット・デメリットを解説するので、冷暖房設備を設置する際の参考にしてください。
輻射式冷暖房8つのメリット
まずは輻射式冷暖房のメリットを解説します。
輻射式冷暖房には、他の冷暖房設備にはないメリットがあるので、比較しながら参考にしてみてください。
輻射式冷暖房のメリットは、主に8つです。
- 風がなく肌に優しい
- 音がなく静か
- 快適な室温
- 温度変化が緩やかで身体に負担を与えない
- クリーンな空気環境
- 電源を切っても効果が持続する
- 全身に涼しさと温もりが届く
- お手入れ不要
なぜそれぞれのようなメリットが発生するのか、以下で解説します。
風がなく肌に優しい
輻射式冷暖房は、熱を移動させて部屋を温めたり冷やしたりする仕組みです。
そのため、エアコンや扇風機のように、風が起きません。
風を起こす冷暖房設備の場合、肌に直接風が当たってしまい、乾燥肌の原因になる可能性があるのです。
また、直接肌に風があたることで、寒く感じたり暑く感じてしまうこともあるでしょう。
輻射式冷暖房は風を起こさず、緩やかに温度変化させる仕組みなので、肌に優しい冷暖房設備といえます。
肌と乾燥肌に関しては、以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。
【加齢による乾燥肌の原因と対策|乾燥肌対策に輻射式冷暖房がおすすめ】
音がなく静か
輻射式冷暖房は、稼働音がほとんどありません。
ほぼ無音と言っても過言ではないほど、静かです。
他の冷暖房は風が起きる仕組みのため、どうしても風の音が気になってしまいます。
エアコンの場合、どれだけ静かなものでも50デシベル以上、ラジアンの場合、稼働時の音は真冬の森林の静寂と同じ15デシベルほどです。
睡眠時にも音が気にならず、快適で心地よい環境を作ります。
快適な室温
輻射式冷暖房は、快適な室温を作り出します。
エアコンのような冷暖房設備の場合、部屋を冷やし過ぎたり温めすぎてしまうこともあり、本当の意味で快適とは言えません。
その都度、温度調整を行ったり、電源を付けたり消したりと、快適な環境にするのが難しいです。
一方で、輻射式冷暖房は体が心地よいと感じる室温で、夏は涼しく冬は暖かい環境を作ります。
また、湿度をコントロールすることもできるので、蒸し暑い夏も湿り気が気になりません。
快適な温度や湿度を保つことで、1年を通してストレスなく過ごせます。
温度変化が緩やかで身体に負担を与えない
輻射式冷暖房は温度変化が緩やかで、身体へ負担を与えません。
人の身体は、急激な温度変化に弱いです。
たとえば、夏場に起こるクーラー病は、冷房が効きすぎている室内にいたり、暑い室外と寒い室内を何度も行き来することで起こります。
一方で、輻射式冷暖房の温度変化はとても緩やかです。
すぐに部屋を温めたり冷やしたりすることはできませんが、その分身体に無理をさせないので、健康に良い冷暖房設備といえます。
クリーンな空気環境
輻射式冷暖房は、室内の空気環境が気になる方にもおすすめです。
輻射式冷暖房は風を起こさない冷暖房設備なので、風によってホコリや花粉、ハウスダストが舞うことはありません。
風を起こす冷暖房設備の場合、常に部屋の中のほこりなどを舞わせている状態といえるので、身体に良い環境とはいえないでしょう。
また、ぜんそくにおけるアレルギーの原因となるダニ、花粉、フケ、ハウスダスト、動物の毛を空気中に飛散させない効果から、ぜんそく対策として輻射式冷暖房を導入しているケースもあります。
電源を切っても効果が持続する
輻射式冷暖房は、電源を切っても、長時間効果が持続します。
エアコンを使った場合、蒸し暑い夏は電源を切るとすぐに暑くなってしまい、ストレスになってしまうでしょう。
輻射式冷暖房は、壁や床、家具から熱を奪う仕組みのため、効果が持続します。
電源を切っても、急激に効果が失われることがありません。
また、効果が長時間持続することによって、省エネ効果もあります。
全身に涼しさと温もりが届く
輻射式冷暖房は、身体を全体的に冷やしたり温めたりする効果があります。
なぜなら、輻射式冷暖房は、熱を移動させる仕組みだからです。
輻射式冷暖房の温まり方は、空気を温めるのではなく、遠赤外線の輻射熱パネルが、直接体に届く仕組みになっています。
この温まり方は、太陽光を浴びるのと同じような仕組みです。
自然に近い方法で、身体の芯まで温めてくれます。
さらに夏場は、身体の温度が高い場所から熱を奪っていくため、クーラーのように足先が冷えてしまうことがありません。
部分的に冷やしたり温めたりするわけではないので、快適かつ健康的です。
お手入れ不要
輻射式冷暖房は、基本的にお手入れ不要です。
エアコンのような冷暖房設備の場合、フィルターの清掃や交換をしなければいけません。
清掃をしなかった場合、エアコン内のホコリを撒いてしまうことになるので、健康にも悪いです。
一方で、輻射式冷暖房は清掃不要で交換の必要もありません。
こまめに清掃をしなくても、クリーンで快適な環境を保てます。
輻射式冷暖房3つのデメリット
輻射式冷暖房には、デメリットもあります。
人によっては、デメリット部分が大きく気になる方もいるかもしれません。
主なデメリットは3つです。
- 設計から考える必要がある
- 瞬発力がない
- パネルの面積が必要
以上のデメリットがありますが、場合によっては、デメリットをカバーすることも可能です。
それぞれのデメリットや、カバーする方法を以下で解説します。
設計から考える必要がある
輻射式冷暖房を設置する際は、住宅の設計から考えなければ、効果を最大限に発揮できないというデメリットがあります。
パネルの設置箇所から離れた場所や、ドアや壁で仕切られているところは、どうしても効果が低くなってしまうのです。
そのため、設計段階でパネルの配置を計画しておく必要があります。
輻射式冷暖房の効果が届きにくい部分には、エアコンなどの冷暖房設備を利用して補いましょう。
瞬発力がない
輻射式冷暖房は、エアコンのように、瞬発力の高い冷暖房で設備ではありません。
夏場の場合、冷えるまでに大体30分~1時間かかります。
そのため、すぐに部屋の中を冷やしたり温めたりしたいという方は、物足りなさを感じてしまうかもしれません。
もし物足りなさを感じる場合は、パネルの枚数を増やすかエアコンを併用してください。
エアコンで速く室内の温度を変え、快適な室温になったら輻射式冷暖房に切り替えるという方法なら、瞬発力の面をカバーできます。
どちらか一方の設備ですべて補えるのが理想的ですが、必ずしもどちらかのみを使わなければいけないわけではありません。
より快適な環境を作るための一つの方法として、エアコンとの併用もおすすめします。
パネルの面積が必要
輻射式冷暖房の効果を最大限に発揮するためには、パネルの面積が必要です。
しかし、パネルの面積を広くしようとすれば、その分初期費用は高くなりますし、インテリアとしてのバランスが悪くなってしまうデメリットがあります。
この点に関しても、設計時から計画を立てておくことや、エアコンを併用することでカバーできるでしょう。
基本的な輻射式冷暖房のデメリットは、設計から考えることでカバーできるので、早めの検討をおすすめします。
輻射式冷暖房はメリットの多い冷暖房設備
輻射式冷暖房のメリットをまとめると、利便性、安全性、健康面に配慮した冷暖房設備といえます。
輻射式冷暖房なら、これまでの冷暖房設備のようなデメリットを感じさせません。
ただし、輻射式冷暖房にもデメリットはあります。
しかし、多くの場合、設計から計画することやエアコンを併用することでカバーできるので、大きなデメリットではないでしょう。
現在の冷暖房設備で少しでも不満を感じているなら、ぜひメリットの多い輻射式冷暖房をご検討ください。