輻射式冷暖房ラジアンの誕生秘話
健康で快適に暮らしたい。
そんな人々の願いを叶える暮らしを
実現したかった。
昭和55年
健康で快適に暮らしたい。誰もがそう願っています。
多くの人が願う暮らしを実現するために、創業者である村上誠は「エコミナミ」の前身となるミナミ総業を設立しました。
この年、日本で初めて「住宅の省エネルギー基準」が制定され、省エネという言葉が一躍知られるようになりました。
村上は健康、快適に加えて「省エネ」を追求することも重要だと考え、エコミナミのものづくりが始まりました。
既存の床暖房の完成度は低かった。
「こんなものしかないなら自分で創ろう」
温水式床暖房の開発に着手しました。
平成4年
新省エネ基準が制定され、住宅の性能が高くなり、これまで以上に健康で快適な暮らしが実現できるようになってきました。
ここで村上が注目したのが床暖房。
暖かい空気は下から上に、足元から天井に向かって上がっていく。これは全宇宙共通の真理だ。暖房も足元から暖めるのが理にかなっているに決まっている。そんなシンプルな着想から、当時少しずつ世の中に広まっていく床暖房の販売を始めました。
しかし当時、世の中にあった床暖房はまだまだ完成度が低く、温度ムラがひどかったり、フローリングにダメージがあったり、ひどい場合は水が漏れてしまうものもありました。
「こんなものしかないなら、自分でやってみよう!」と決断、温水式床暖房の開発に着手しました。というのも、その時、すでに村上の頭の中には、明確なイメージがありました。それは真冬の寒さの中、日向に出るとなぜ暖かく感じられること。気温0度でも暖かい。それは太陽の光の波長が、肌表面にある温感ポイントを刺激し、人の体の細胞内の分子が共振しはじめ、熱を発して身体を内まで暖めるからです。いわゆる輻射熱による遠赤外線効果を、最大限に活用できる床暖房システムを作ろう、という熱い思いが、村上の活力になっていました。
開発した遠赤外線の床暖房は
東京ビックサイトの展示会で大盛況。
まさに“人が鈴なり”の超人気ブースに。
平成9年
エコミナミの床暖房は、あっという間に認知を広げ、村上は先進的床暖房の開発メーカーとして「ミナミヒーティングプラン」を設立しました。
同時に全国的な販売施工ネットワークの構築も進めて行きます。
前年に開業したばかりの東京ビックサイトの展示会では、まさに人が鈴なりの超人気ブースとなり、従来の床暖房のようなエアコンの補助ではなく、主暖房として使用できる床暖房の注目の高さがよくわかりました。
秘密は神奈川県立産業技術総合研究所の協力を仰ぎながら研究に研究を重ねた新しい技術にありました。
NASAが1981年に発表した、人の細胞がもっとも活性化する8〜14μの育成光線と呼ばれる波長を床暖房から出すために、アルミ表面に特殊な塗装を施し、パネル自体から遠赤外線を発するようにしました。
遠赤外線の力だけで床暖房を主暖房にすることに成功したのです。
冷房の開発に着手。
湿度の高い日本では「結露させる冷房」が
快適性が高いことに気づく。
平成14年
床暖房の市場拡大が拡大するにつれ「冷たい水を流せば、冷房になるの?」という声が出始めます。
もちろん村上は「やってみよう」と開発に着手。
暖房は下から上に暖かい空気が上がりますが、冷房はその逆で上から下になります。
そのため冷暖房にするなら、壁面設置が最も効率的、ということで壁冷暖房として開発。
もともと高性能な床暖房のノウハウがあったので、冷却性能十分の新製品が完成し、特許も申請しました。
しかし、冷房運転時の湿度管理がうまくいかずに、結露トラブルが発生。
湿度の高い日本では、結露させない冷房よりも、結露させる冷房の方が快適性が高いことに気付き、方針転換。壁内ではなく、壁面にパネルを設置する方法で開発を再開します。
ラジアンが注目され、
電子顕微鏡のトップメーカーからオファーが。
大型プロジェクト始動。
平成17年
ラジアンの初期モデルが完成すると8月26日にはテレビ東京系列のワールドビジネスサテライトに村上が出演し、ラジアンの特集が組まれました。
大きく取り上げていただけたことで、たくさんの注目をいただきました。
同時に開発当初は全く想定していなかった用途での引き合いもいただきました。
それは電子顕微鏡のトップメーカーからのオファーでした。
村上は共同開発者であり、製造を請け負ってくれている協力者であり、販売代理店でもあったプロトテックとともに、この大型プロジェクトをすすめていきました。
電子顕微鏡の試験環境室の求める条件は
とても厳しかったが、多穴管方式で解決。
平成19年
電子顕微鏡の試験環境室の求める条件はとても厳しいものでした。
中でも「1分間あたりの温度変化を0.05℃に保つ」ことは、容易ではなく、大幅な改良を余儀なくされました。
これまで数々の発明により、無理難題を解決してきた村上は初心に帰り、アルミ熱伝導率の高さをフルに発揮するために接触面積を増やした「多穴管」方式にたどり着きました。
そして村上は最後の孫が誕生したその日に知的財産権を出願し、翌年意匠登録されました。
(意匠権者は共同開発者のプロトテックと連名)
意匠登録 第1334772号
発明者 村上 誠(エコミナミ)
意匠権者 エコミナミ プロトテック
村上の人生そのものである発明品
“ラジアン”が、今、世界に羽ばたく。
令和2年
村上の人生そのものと言える世紀の発明品「ラジアン」が発売されて15年。全ての工程を国内で行う純国産パネルとして生まれ変わりました。
パートナー企業に全面的にご協力いただき、多穴管の押出しから溶接加工、塗装や内部皮膜処理まですべて国内で生産できる体制を整えました。
ラジアンは「快適を再定義する冷暖房」です。
風もなく音もない、さらに「暑くもない」当然「寒さもない」、それがラジアンです。
真に快適な空間は、暑さや寒さを意識せずに済む「何も感じない空間」です。
皆様に「無意識の快適さ」を提供する、それが私たちエコミナミの哲学です。
今、ラジアンの快適さが世界中に広まりつつあります。
様を始めとする高度な研究機関から、健康にこだわりのあるご家庭に至るまで、世界中の様々な場所にラジアンは導入され続けています。